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日本企業の株式や債券の発行の主幹事は、すべて日本の証券会社に占められていた。
企業側のニーズの変化に加え、日本の証券会社の相次ぐ不祥事、実力不足が露呈され、外資系証券、とりわけ投資銀行が持ち前の実力を発揮する機会が巡ってきた。
その意味で、投資銀行部門の関係者にとっては、「本当の意味でのインベストメントバンカーが求められる時代がようやくやってきた」というのが率直な感想であろう。
日本企業が、グローバルな競争にさらされる中、従来のようなM&Aアレルギーを克服し、ROEの最大化という視点を強めるにつれて、今後、投資銀行部門の仕事はますます拡大していくだろう。
これに伴い、投資銀行の花形部門も、セールス&トレーディングから、投資銀行部門へシフトしていくだろう。
それでは、投資銀行部門の重要な2つの役割、クライアントカバレッジとプロダクトスペシャリストについて見ていこう。
クライアントカバレッジとは、発行体企業との接点を握り、顧客企業の資本の現状や企業の戦略を把握した上で、企業全体の資本を最適活用するという視点から、財務戦略を提案する役割である。
基本的には、鉄鋼、自動車、金融機関など、産業別の編成となっていることが多い。
ちなみに、ここの呼称はいろいろあり、クライアントカバレッジのグループをコーポレートファイナンスと呼ぶ投資銀行もある。
ここでは顧客企業のキャピタルの状況を子細に理解し、資本の最適化という観点からさまざまな提案をする。
たとえば、「市場がこうなっているので、このビジネスユニットを売却しましょう」「今、市場には御社の株式が余剰でしかも御社にはキャッシュがある。
だから、自社株を償却しましょう」といった具合である。
クライアントカバレッジのチームは、顧客企業の内部情報をすべて知ることになる。
そこで、守秘義務の観点から、同じ人間がクライアントの同業他社にはサービスを提供しない、という1業界1社的な住み分けをしている。
フォードはどこ、GMはどこという具合だ。
さまざまな業界で合従連衡が進んでくると、競合の範囲も広がってくる。
クライアントカバレッジのチームは、顧客のニーズを満たす提案をするために、プロダクトスペシャリストのチームを巻き込んでいく。
クライアントカバレッジのスタッフが顧客に提案するものの中身、つまりプロダクトを提供するのが、プロダクトスペシャリストのチームである。
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